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欧州ガラス展

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欧州ガラス展

2018年12月28日

バナー2

 黒壁ガラス館企画展「欧州ガラス展」では、日本よりもはるか以前に原材料、成形技術、加飾技術の発明によって大きく発展した欧州のガラス文化の軌跡を黒壁コレクションよりご紹介します。

 

 本格的なガラス容器は、紀元前16世紀末から紀元前15世紀初めの古代エジプトやメソポタミアで作られはじめ、ガラス容器の主流だったと考えられています。ローマ帝国支配下になるとさらにガラスづくりが盛んになり、ローマンガラス創成期は帝国内を 中心にフェニキア人交易によって流通、次第にイタリア半島やヨーロッパ各地にも工人が窯を興していきました。

 

 ローマからササン朝、イスラムの時代から大きく時を経て、貿易都市として栄えたヴェネチア共和国には古代以来の技術が広がり、また、17世紀には無色透明のガラスが発明され世界を席巻しました。17世紀以降は台頭してきたトルコやヨーロッパ勢力により国が弱体化し秘法とされた技術は国々に散りましたが、今日ある加飾法の殆どはヴェネチアによって完成されたと言われ、ヨーロッパ近世ガラスの基礎となりました。

 一方、ボヘミアでは神聖ローマ皇帝ルドルフ2世によって学芸が手厚く保護されたため、文化・政治・経済の中心として栄え、ガラス産業も飛躍的な発展を遂げていきました。そして、独自の無色透明ガラスが開発され、17世紀末から19世紀にかけてヨーロッパのガラス製造の中心地となり、ヴェネチアに代わり名声を得ました。

 

 また、ローマ帝国消滅後も欧州各地でガラスは作られ続け、ドイツ、オーストリア、フランス、イギリスなどでも、国独自のガラスへと発展していきました。19世紀末には、衰退していたヴェネチアンガラスの復興や、アール・ヌーボー、アールデコなどの芸術運動に よってガラス工芸も爆発的な流行となりました。

 

 古代から現代まで衰退と発展を繰り返してきたガラス産業ですが、今展の様々な欧州ガラスを通して、職人たちの情熱を感じ、精緻な技巧、デザイン、色彩の妙をお楽しみ頂けましたら幸いです。

 

主催: 株式会社黒壁
後援: 長浜市・長浜市教育委員会
協力: ノーブルトレーダース株式会社JTC株式会社

 

パンフレット ダウンロード

A4チラシ   A4チラシ
欧州ガラス展 表面   欧州ガラス展 裏面

 


ヴェネチアのガラス

 民族の大移動と共にローマ帝国は分裂と消滅の道を辿りますが、7世紀以降1000年続いたヴェネチア共和国は、13世紀ごろから東西を結ぶ要の地として地中海貿易を支配していました。貿易の品々の中でもシリア、エジプトなど東方のガラス工芸品はヨーロッパで大変珍重され、共和国に巨万の富をもたらしました。

 貿易の品と共に技術も流入し、ヴェネチアのガラス産業は発展していくのですが、原材料や燃料のない国であった為、資源豊富な国々にコピー品をつくられてはなるまいと、産業を管理下に置きました。

 1268年にはギルド(職人組合)を作り、1291年には優れた技能者の流出を防ぐため、ガラス工房や職人をヴェネチア沖のムラノ島に集め、製法の国外流出を防ぎました。島外に出れば死罪、産業発展に貢献したものには地位や褒賞が与えられたといいます。ローマンやイスラムガラスの伝統を継承しつつ、15~16世期になると無色透明な「クリスタッロ」が開発され世界を席巻しました。

 17世紀以降は台頭してきたトルコやヨーロッパ勢力により国が弱体化し秘法とされた技術は国々に散りましたが、今日ある加飾法の殆どはヴェネチアによって完成されたと言われ、ヨーロッパ近世ガラスの基礎となりました。

 

005 サルビアティ
《龍のゴブレット》
1859年〜1957年頃
  OLYMPUS DIGITAL CAMERA サルビアティ
《龍の水差し》
1859年〜1957年頃

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA vintage mini glass 50piece
1960年〜1970年
  エルマンノ・トーゾ 花器 1956 エルマンノ・トーゾ 花器
《Murine Spirale》
1956年

 


ボヘミアのガラス

 14世紀カレル4世の時代にボヘミアとヴェネチアの関係が深まると、ヴェネチアンガラスの輸入や模倣品の製作が行われるようになりました。15世紀末までにチェコ・ドイツ国境の森林地帯でガラス工房が発展していきましたが、16世紀後半では未だヴェネチアの模倣は続いていました。

 しかし、16世紀末には原料が入手困難となったため豊富な森林のブナやカシの木灰を原料にした、透明度の高い「ボヘミアンクリスタル」が独自に開発され、模倣からの脱却の第一歩となりました。

 神聖ローマ皇帝ルドルフ2世がプラハに都を遷都、学芸を手厚く保護したため、ボヘミアは文化・政治・経済の中心として栄え、ガラス産業も飛躍的な発展を遂げていったのです。

 無色透明の「ボヘミアンクリスタル」は硬質で、水晶彫りの技術を応用した“エングレービング”を施すのに適した素材であり、細密な装飾が施されたガラス製品は瞬く間にヨーロッパ上流階級の愛用品となりました。ボヘミアは17世紀末から19世紀にかけてヨーロッパのガラス製造の中心地になり、ヴェネチアに代わり名声を得ました。その後、一時低迷するもアールヌーボーの時代には、「虹彩ガラス」が考案され、 1900年のパリ万博で高く評価されました。

 

006 ヨハン・レッツ・ヴィトヴェ
《花器》
1902年〜1903年
  カンディアの現象ヨハン レッツ ヴィトゥヴェ 1902 ヨハン・レッツ・ヴィトヴェ
《カンディアの現象》
1902年

 

コバルトの現象 ヨハン レッツ ヴィトゥヴェ 1910年頃 ヨハン・レッツ・ヴィトヴェ
《コバルトの現象》
1910年頃
  ヨハン レッツ ヴィトゥヴェ ヨハン・レッツ・ヴィトヴェ
《花器》
1909年

 

エリザベートの肖像 カール フォール 1855 カール・フォール
《エリザベートの肖像》
1855年
  OLYMPUS DIGITAL CAMERA ヨハン・マイヤー
《高台付果物皿》
1835年〜1840年
  OLYMPUS DIGITAL CAMERA 作者不詳
下皿付ボンボン入れ
1830年頃

 


オーストリアのガラス
 13世紀にはじまり第1次世界大戦で滅ぶまでおよそ640年間にわたり中枢に君臨し続けたハプスブルグ家は政略結婚によって領土を拡大してきました。現在の10を超える国からなる広大な領土から優秀な人材が大量に流入し、多種多様な文化がウィーンに集まり中世には芸術の都として栄えました。
 16世紀前半ハル・イン・チロルではアウグスブルク出身のドイツ人によりガラス工場が経営され、1570年にはインスブルックでチロル大公フェルディナントⅡ世がヴェネチアの職人を招聘し、宮廷ガラス工場を設立しガラスを作りました。この時代はヴェネチア様式を取り入れながらドイツ色が残るガラス製品が作られていたようです。ウィーンにおいては17世紀後期には工房ができ、ヴェネチア製と遜色ないものが 作られるようになりました。
 18世紀末から19世紀中頃には王侯貴族の保護のもと、「ゴールドサンドイッチ技法」や透明エナメルによる繊細な絵付けなど華やかな装飾のビーカー類が盛んに作られました。
 19世紀後半は多くの工場が装飾性の高いガラスを作っていましたが、中でもウィーンの「J&Lロブマイヤー」は1878年のパリ万博で繊細なエナメル彩やエングレービングの作品が称賛されました。

 

003 J&Lロブマイヤー
《クリスタルに金彩のテーブルセット》
1880年〜1890年
  OLYMPUS DIGITAL CAMERA J&Lロブマイヤー
《インド風花器》
1880年頃

 

J&Lロブマイヤー 蓋付きゴブレット 1880‐1890 J&Lロブマイヤー
《蓋付きゴブレット》
1880年〜1890年
  J&Lロブマイヤー 彩色大皿 1887年頃 HP J&Lロブマイヤー
《彩色大皿》
1887年頃

 


フランスのガラス

 ローマ帝国の領土下にあった地域ではローマンガラスがつくられていたものの、フランス中世のガラス史ではガラス器において「ヴェール・ド・フージェール(シダ・ガラス)」の他、フランス独自の様式や技法はなかなか生まれてきませんでした。14世紀から15世紀にかけてイタリアのアルターレからガラス工人が移住し、16世紀頃にはノルマンディー地方で「ファソン・ド・ヴェーニーズ(ヴェネチア様式)」のガラス器 が作られ、高級品は輸入に頼る時代が続きました。

 しかし、1675年にルイ14世が建てたガラス工場で板ガラスの鋳造法が発明され、大きな鏡を製造する方法を生み出し、ヨーロッパ各地の需要をまかなうようになりました。1682年にはベルサイユ宮殿の鏡の間が作られ、以後宮殿や城に壁面鏡を飾ることが流行しました。

 18世紀に入るとボヘミアンクリスタルやイギリスの鉛ガラスの発明に刺激され、高級ガラスを作る大規模なガラス工場がロレーヌ地方に相次いで作られました。1764年にはのちの「バカラ」となる工場、1767年には「サン・ルイ」が作られました。19世紀末アールヌーボー期に至ってロレーヌ地方のナンシーやパリを中心にガラス工芸が花開き、エミール・ガレなどが注目されるようになりました。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA バカラ
《バラの香水瓶》
1830年頃
  OLYMPUS DIGITAL CAMERA エミール・ガレ
《エナメル彩色器》
1885年

 

どんぐり文広口花器 エミール ガレ1910-20 エミール・ガレ
《どんぐり文広口花器》
1910年〜20年
  OLYMPUS DIGITAL CAMERA エミール・ガレ
《湖水風景文花器》
1920年頃

 


欧州ガラス展 関連企画

ヨーロッパのグラスウェアを販売
ヴェネチア、ボヘミアを中心に欧州のガラス食器やアクセサリーなどを販売致します。
会場/黒壁ガラス館2階 特設会場
  OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 


OLYMPUS DIGITAL CAMERA   煌めきのインスタスポット
展示会会場には煌めくガラスの撮影スポットを用意。ゴージャスな気分でパシャリ。
会場/黒壁ガラス館2階 特設会場

 


ベネチアの仮面を作ろう!
黒壁体験教室では期間中、艶やかなヴェネチアンマスクの制作体験を随時開催。
期間/2019年2月1日(金)〜3月3日(日)
料金/2,160円〜(税込)
会場/黒壁体験教室
   TEL.0749-65-1221
  OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

黒壁ロゴ   黒壁三十祭 マーク 3

概要

日時 2019年1月1日(祝)〜3月31日(日)
10:00〜17:00
※1月1日は12:00〜17:00
場所 黒壁ガラス館 2階
料金 入場無料
お問合せ 0749-65-2330(代)