かや葺きの宿 長治庵 葉山椒の炊いたん
2021年11月25日
"おかめ"が伝える山のごちそう
今ではすっかり珍しくなった木の引き戸を開けると、出迎えてくれるのが松本真奈美さん。
割烹着姿に温和な笑顔がトレードマークの、かや葺きの宿長治庵の女将です。
おかめこと、女将の松本真奈美さん |
江戸末期にはすでに宿を営んでいた記録が残る老舗に嫁いで約25年、宿泊者のもてなしを一手に引き受け、厨房も担います。
山菜やジビエ、渓流の川魚、ご主人の長治さんが栽培する無農薬無肥料の特別自然栽培米...。
岐阜県境に近い雪深い山間地での、食材を上手に保存活用してきた知恵がたっぷり詰まった山のごちそうばかりです。
「おかめの炊いたん」シリーズは、長治庵の味のお土産タイプ。
春の山々の恵みである山菜を炊き上げています。
そのなかでも抜群の人気を誇るのが「葉山椒の炊いたん」。
柔らかい新芽の部分を使っていて、きれいな緑色が山椒独特のさわやかさを見た目にも伝えてくれます。
「火を通しすぎると変色してしまいます。手際の良さと潔さが肝心ですね。先代から教わった味付けを受け継ぎつつ、自分流にアレンジしています」と松本さん。
葉山椒を採ってきてくれるのは、宿の近隣の高齢者の皆さん。
実は一帯は深刻な高齢化が進行しています。
そんななかで、山々をよく知る高齢者に「仕事」として引き受けてもらうことで、地域のにぎわいの一助になればと願いを込めています。
三角のパッケージも印象的。
おにぎりをイメージしてのデザインだそう。まさにご飯にお供に最強の一品です。
かつて、北陸で水揚げされた魚が近江を通って京阪神に運ばれたことにちなみ、へしこ(サバのぬか漬け)やおじゃこの炊いたんも。こちらも根強い人気です!
ちなみに商品名に冠した「おかめ」は、もちろん松本さんのこと。
日々綴るブログで自らをそう名乗っていることに由来しています。
かや葺きの宿 長治庵
長浜市木之本町杉野2702
0749-84-0015