冨田酒造有限会社 長濱
2021年12月5日
地酒の"地"が、育むもの
米と水。
たったこれだけの原料が、発酵の工程を経ることで、芳しい日本酒になります。ゆえにお酒の個性は、米と水が育まれる環境が影響してきました。
その土地の酒つまり、「地酒」と呼ばれる所以です。
木之本北国街道沿いに蔵を構える冨田酒造は、「地酒の"地"の部分」に特化した酒、この土地ならではの酒づくりを追求しています。
(写真:創業から470年余。この地の歴史と暮らしに寄り添ってきた) |
豪雪地帯ならではの豊富で清らかな水、そして酒蔵から周囲数キロの範囲にある土地で育てられる酒米。
現当主で15代目の冨田泰伸さんは、自らも頻繁に農園に出向き、田植えや収穫を手伝い農園主とのコミュニケーションをはかりながら、酒米の栽培を託します。
その契約農家のひとつ百匠屋が栽培した酒米「吟吹雪」を使って醸造されたのが「長濱」です。
(写真:百匠屋で刈り取りを待つ吟吹雪) |
黒壁AMISUの「長浜ならではの地酒を提供したい」との思いから生まれた、酒蔵✕農家✕大学生がタッグを組んだプロジェクトで、長浜バイオ大学の学生が成分分析や製造補助に関わっています。
日本酒には、用いる酒米やその磨き方、醸し方などでさまざまな種類があり、味わいや風味が異なります。
そうしたなかでも、冨田酒造の地酒に共通するのが「米の味がしっかり伝わる」力強さ。
長濱もまた、酒米を60%削った吟醸仕込みならではのすっきり感がありながら、穀物らしさを感じられる味わいとなっています。
蔵付きの酵母を用いた醸造や、木桶を導入しての仕込み、そして熟成ーー。
発酵を促す菌や、そして時間をも、この地で育まれていることを大切にしたいと、冨田さんは考えています。
メインブランド「七本鎗」で展開するラインナップでもぜひ、木之本の風土が醸し出した味をお楽しみください。
(写真:木桶は段階的に増やし、2021年度の新たな設置分を抱える冨田さん。 お酒は「木ノ環(きのわ)」と命名。 提供・竹中昌代) |
冨田酒造有限会社
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滋賀県長浜市木之本町木之本1107
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