お米の家倉 滋賀羽二重粫
2021年12月18日
食べる人とつくる風景
長浜市は少し郊外に向かえば、あちこちに田園が広がります。
当たり前のように見えますが、田んぼを耕す人がいて、お米を食べる人がいるからこそ、維持されてきた風景です。
「お米の家倉」は、そんな田園のなかにある農家で、約43ha、およそ東京ドーム10個分という広大な面積で、米・大豆などを栽培しています。
5代目の家倉敬和さんは、大卒後大阪からUターンし、両親の営む農業の道へ。お米の品質、味ともに向上させる努力の傍ら、農家のことを知ってもらうためのイベントや情報発信に熱心に取り組んできました。
(写真:ご両親やスタッフとともに農園を切り盛りする家倉さん。提供・桑島薫) |
こうしたPRのもと、人々のライフスタイルや価値観の変化のなかで、第一次産業は「たいへんな仕事」から「自然とともにある魅力ある働き方」と捉えられるように。
時を経て、家倉さんは「次の世代にこの風景を引き継いでいく」ことを模索しています。
お米は、ご飯として食べるだけではなく、お味噌やお酒、お餅といった品々の原料にもなります。
家倉さんのところでは、自家製味噌の製造をはじめ、米本来の力を使って育てる自然栽培で育てた酒米が木之本の冨田酒造の原料として用いられ、「無有(むう)」という日本酒の原料に。
そして黒壁AMISUでは、お米の家倉製滋賀羽二重粫を使ったオリジナルあられ「滋賀羽二重揚げ」が販売されています。どちらも全国に愛好家をもつ人気商品です。
(写真:黒壁AMISU提供) |
「お米はいろんな人の力を借りて、ご飯だけではない形になります。それらを食べてくれる人、飲んでくれる人が、長浜ならではの風景をつくり出しているとも言えます」と家倉さん。
オンラインでなんでも手に入る時代。届いた"おいしいね"の向こう側にある長浜を思い浮かべてみてください。
作る人、食べる人、みんなでつくった風景があります。
(写真:家倉さんの農園一帯は、さまざまな戦国武将たちが攻防した地として知られる。提供・桑島薫) |
お米の家倉